【売り上げに貢献するPOPの作り方】

お客との距離を意識して目的と内容を明確に

POPはテーマを伝える有効なツールですが、ただ漠然と作るのではなく、テーマを明確にし、お客様との距離を意識した記載内容にしてはじめて売り上げに結びつきます。POPには種類も名称もいろいろありますが、ここでは距離に応じた3種類に絞り、その作り方と効果を解説します。

1.情報を絞りテーマを決める

小売店ではまず品揃えの中身を決め、品揃えをお客様に伝えます。しかし、お客様は店頭の商品すべてを順番に見てくれるわけではありません。品揃えの一部でも良いから目に入れてもらい、認識してもらうことが重要です。あれもこれもと欲張らず、伝えたいテーマを絞り、商品とPOPで伝えます。

POPを作成する上でポイントは二つあります。一つはお客様に見てもらい、読んでもらえること。二つめはその内容が伝わり、理解され、売り上げに結びつくことです。

見てもらい、読んでもらうためにはお客様とPOPの距離を考慮した文字のサイズであること、そして体裁が整っていることが必要です。用紙の色やサイズ、文字の色や字体、レイアウト、設置場所、数量といったルールを決めます。POPをルール化するとお客様のストレスが軽減され、滞在時間が長くなり、多くのPOPを目にしてもらえます。売り上げに結びつけるためには、記載内容が見る人にとって的確で魅力的であるかどうかがポイントです。記載内容は購入を左右する重要なものなのです。

2.テーマに優先順位を付ける

VMDもPOPも伝えたい情報を絞ってはじめて伝わります。そのためにテーマを決めます。テーマの切り口は、ファッショントレンド、歳時記・行事、エイジ、テイスト、オケージョン、アイテム、メーカー、ブランド、デザイン、色、柄、素材、機能、価格、こだわり、コーディネートなど様々です。

例えば切り口をファッショントレンドにした場合、テーマはマリン、フェミニン、ブリティッシュ、マニッシュなどが考えられます(表1)。売り場として打ち出したいトレンドがマリンだとして、該当する在庫が豊富であればそれをテーマとしてお客様に伝えます。

表1

柄もテーマの一つです。ある婦人服のお店で花柄のシャツをアピールしようとしました。第1テーマの切り口は「柄」、第2テーマの切り口は「アイテム」。そして、パンツとのコーディネートも見せて、上下トータルで売りたいと考えました。テーマの切り口と内容は表2のようになります。

表2
テーマの優先順位

POPの例1

テーマが決まったら、商品とPOPでお客様に伝えます。つまり「花柄のシャツはいかがですか?」という情報を発信するのです。POPは例1のようなものを作成し、該当する商品をディスプレーで飾ったり、視認性の高い売り場の前面に集めて固まりを作ります。このような情報がなければ、売り場(お店)全体で発信しているのは「婦人服はいかがですか?」というぼんやりした情報だけになってしまいます。テーマを絞って、それを商品で見せ、POPで知らせることで、「花柄のシャツ」という新しい情報を伝えることができるのです。

3.距離に見合った記載内容

お客様がPOPを目にする時、POPとの距離は様々です。購買率を高めるために、距離に見合った内容を記載します。

例えば、3~5メートル離れたお客様が目にするPOP(A)では大きなテーマ、1メートルの距離のPOP(B)ではそれを少し絞ったテーマ、立ち止まって読む3センチ先のPOP(C)ではさらに絞った小さなテーマを発信するようにします。(表3)

表3 POPを読む人との距離と設置場所、目的、内容

あるお店で、クリスマスキャンペーンの時期に、お客様に伝えたい情報を整理したところ、表4のようになりました。これらから3つのPOPに記載する内容を決めます。

表4

3~5メートル離れたお客様にまず「ギフト」という大きなテーマを目にしてもらいます。「クリスマスギフトにボーダーのマフラーはいかがですか?」などと、クリスマスギフトにオススメの商品をお知らせします。そして1メートル離れたお客様には、テーマを「トレンド、柄、バリエーション」に絞り、「この冬流行のボーダーのマフラーを豊富に揃えました」と伝えます。さらに興味を持って30センチに近づいたお客様には、「Qブランド  6000円」という「ブランド、価格」をお知らせします。お客様との距離に見合った情報を発信することで、お客様の興味を引き、購買意欲を掻き立てることができるのです。

このお店のPOP、(A)(B)(C)を紹介します。
設定したテーマをPOPで伝えることができ、その商品の在庫が豊富にあれば、売り上げを伸ばすことができます。

POP(A)

POP(B)

POP(C)

以上述べたように、設定したテーマをPOPで伝えることができて、該当商品の在庫が豊富にあれば、売り上げを伸ばすことができます。

 

「売り上げに貢献するPOPの作り方」(2013年6月17日繊研新聞掲載)

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