POP・VMD・MDの電子書籍

電子書籍で売り上げを伸ばす

【ショーアンドテルの実践的マーチャンダイジング】

マーチャンダイジングとは「品揃えを需要に合わせること」です。様々な角度から「売れる・売れない」を検証して、売れるものを増やし、売れないものを減らして売り上げを上げることです。そのために仕入れ担当者(バイヤー)にとって重要なことは何でしょう。

マーチャンダイジングを担うバイヤーにはセンスと科学が要求される

バイヤーに最も必要なことはセンスでしょうか。センスも確かに重要ですが、全てではありません。バイヤーには売れ筋を推測するなどの仕事がありますが、それは自身の勘やセンスからくる感性だけでなく、データを元に分析して予測を行うなど科学的な部分も重要です。

データがある場合は「過去のデータを参考にする」という科学の部分と「データを参考にしながらも勘や経験の下に予測する」という感性の部分の両方が発揮できます。しかし、データがなければバイヤーの感性100%で決めざるを得ません。リスクはとても大きいといえます。

科学 感性
過去のデータを参考にする 勘や経験の下に予測する

例えば、昨年の冬はダウンジャケットが3,000万円売れて、今年は傾向から予測すると「伸びる」と判断し、売り上げ予想を3,300万円としたとします。

これを科学と感性に整理すると、昨年の売り上げ3,000万円を参考に売り上げ予想をすることは科学です。大雑把に言うと、売り上げが伸びると予想したことは感性、売り上げ予算を3,300万円に決めたことも感性です。しかし、伸びると予想した際にここ数年のデータを参考にしたとしたら、それは科学です。どのくらい伸びるか、それは過去のデータよりバイヤーの勘と経験をベースに決めたとしたら、感性になります。

参考になるデータが何もなければ全て感性で決めることになります。感性は人により様々です。品揃えの中身は人で全く変わってしまうことになりかねません。それは大きなリスクと言えます。

分類は科学的なMDに必須

MDの基礎となるものが「分類」です。MD上の分類は、より緻密なレベルで「売れる・売れない」の検証をし、品揃えの中身をニーズに近づけるためにあるのです。しかし、その本質をわかっていない方も案外多いように思います。分類を決めることなんて簡単と言う人もいます。確かに決めることはさほど難しくありません。でもその中身が問題なのです。よくよく聞いてみると、分類基準の全てを熟知している訳ではなく、ほんの一握りの分類基準から分類を決定しているということも珍しくありません。見直しが必要な場合も多々あります。

分類を決めることは当たり前といえば当たり前ですが、明確に正しい分類を決めている企業は意外と少ないのが実態です。どんな業態でも第1番目の分類(大分類 or 第1分類)までは決まっています。しかし、次の分類が不明確です。大きな分類の次のレベルの分類がなく、いきなり最小の単位の単品になってしまう、こういう例が多いのです。百貨店でも明確に決まっていないところもあります。

少なくとも第2(中)、第3(小)の分類まで明確に決めなければ、科学的な店舗運営はできません。分類を深く理解できていないために「科学的な店舗運営」の一歩を踏み出せないのではと感じています。

分類には商品分類と展開分類があり、その違いを知った上で2つの分類を決めます。どのようなお店でも仕入れる商品の中身を売れるものにしなければなりません。品揃えの中身のプランや分析の際に必要な分類が商品分類です。

一方、お客さまに快適に過ごしてもらい、心地よくお買い物をしてもらうため、売場に陳列されている商品をお客様の立場からみてわかりやすく選びやすいようにした分類が展開分類です。

商品分類 品揃えを需要に近づけるため
展開分類 お客様の買い物を快適にするため

分類が不完全と感じたら、まず商品分類の大・中・小分類を見直しましょう。その際、展開分類とは明確に線を引き「商品分類は売上予算を組むときに必要な分類」「商品分類は品揃えの中身を分析するときに必要な分類」という認識を強く持って考えることです。

そうしなければ、つい売場をつくるときを想像してしまい、結果として展開分類を作ってしまうことがあります。商品分類と展開分類の違いを明確にせずに分類を決めると、本来は展開分類のはずが商品分類になっていたということになりかねません。この展開分類と商品分類との違いを明確に知ることにより、精度の高い「商品分類」と「展開分類」を決定できるのです。

尚、ショーアンドテルでは「商品分類」を3つに分けて整理しています。1つは商品そのものを素材、織り方、機能、デザインなどで分類します。2つ目の商品分類は売場を構成しているセーター、カーディガンなどの商品をアイテム、素材、デザインなどで分類するものです。3つ目は商品動向の分析とMDプランの作成に使い、品揃えを様々な切り口で需要に近づけるための、データとも連動する分類です。詳細は電子書籍の「“実践的なマーチャンダイジング”基本編」で解説しています。

私がバイヤーだった頃のこと

私の百貨店時代、入社して配属されたのは婦人服のヤングカジュアルの売り場でした。平日は裏方の仕事、土日はセールの販売、そんなことをやっているうちに2年後には朝礼を任され、売り場を仕切るようになり、そして次第に仕入れにも関わるようになっていきました。

その頃、百貨店の大半は計画的な仕入れなどできておらず、その場その場で自分の勘を頼りに仕入れる中身を決めていました。でも、それでも売れていたのです。年、月ごとや毎日の売上予算があり、アイテム別の売上予算も作るのですがそれを達成するための品揃えの中身のプランがありません。

たとえばスカートを500万円売るために必要なのは何型で、そのうち「ミニ」「膝丈」「ロング」はそれぞれ何型で「Aライン」「フレア」「プリーツ」「タイト」を何型ずつ品揃えするか。この、アイテム別型数、スタイル別型数、デザイン別型数のプランを立てるなんてことは考えもつきませんでした。

仕入れを担当するようになってからは、このようなことで良いのだろうかと自問自答しながらやっていました。バイヤーになって困ったことは「どのように分類して、どのようなプランを作ったら良いのかわからなかったこと」です。当時は大・中・小分類を明確に決めることも、型数をいろいろな角度から決めていくということも、知りませんでした。

振り返ってみると、私の百貨店時代の前半で仕入れに関してやっていたことは、とてもMDといえるものではありませんでした。どうにかしたいと思っても、何をどうやったら良いか全くわかりません。参考にできる本などもなく、意欲はあったのに、知識がありませんでした。

MDプランとはどのようなものなのか。具体例を繊研新聞社から刊行の「MDプラン作成の基本」で紹介しました。発売当初は税込1800円でしたが、今はアマゾンで中古本のみ入手できます。価格は90円から2378円までと様々です。先日、ある書店で見かけましたが、増刷するほどの売れ行きではないのでしょう。アマゾンでは新品が売られていません。

印刷される本は毎日大量に生み出され、大量に破棄されていきます。書店の売場面積には限界があり、本日めでたく店頭に並んだとしても、1年後に残っている保証はありません。5年後にもお店に並んでいる本は余程のベストセラーでしょう。私は2004年、2006年、2008年、2009年、2010年に出版しましたが、多分もう日本全国どこの本屋さんにもないと思います。1冊だけ電子化され、アマゾンでも販売されていますが、この本は多分半永久的に売られるでしょう。

電子書籍のお知らせです。MD、VMD、POPなど店舗運営に関わるノウハウを分かりやすく整理した電子書籍が出版となります。価格は1コインです。意欲はあるけれど、どう進めたら良いかわからないという方、一流のバイヤー、実力ある店長を目指したい方には、間違いなく重宝する内容になっています。こちらのサイトでもお知らせしますので、ご興味がありましたらご覧ください。

SHOW&TELLの電子書籍

ショーアンドテルが長年に渡り蓄積してきた膨大な資料を電子書籍にて公開します。
POP、VMD、MDなど店舗運営に関わるノウハウを分かりやすく解説しています。

カテゴリー

サイトマップ